感染対策:Q1

Q1:マスクの感染防止効果について教えてください。

A1:

まずCOVID-19の感染の仕組みについて説明します。

COVID-19はほとんどの場合、飛沫感染によって人から人へ伝搬します。飛沫とは、唾液や鼻水などが、呼吸、くしゃみ、咳などによって、微小な粒子となって空気中へ飛び散るものです。飛沫には大きなもの(5μm以上)から微小なもの(5μm以下)まで様々な大きさがあります。大きな飛沫はすぐに重力で地面などに落下しますが、小さな飛沫は一定時間空気中を漂います。感染者の体から発せられる飛沫にはウイルスが含まれているため、空気中に漂う飛沫(感染者由来の)を吸入した人が、ウイルスに感染することになります。

他にも接触感染がありますが、これについてはこちらで確認してください。

次にマスクの飛沫拡散防止効果について説明します。

マスクは感染者から飛沫が口や鼻から空気中へ放出されること(拡散)を妨ぎます。マスクの種類により違いますが、正しく装着されたマスクは50〜80%程度の飛沫拡散を防止することが知られています。したがって、マスクを着用することにより、感染が拡大することを防止する高い効果が期待されます。マスクの素材による飛沫拡散防止効果の違いについては、こちらで確認してください。

最後に、マスクの飛沫吸入防止効果について説明します。

マスクには、限定的ではありますが、自身が飛沫を吸入してしまうことを防ぐ(すなわち感染を防止する)効果があると言われています。これは、人型のマネキンにマスクを着用させて飛沫を吹きかけたとき、どの程度の飛沫がマスクを通過するかを調べた実験によって示されました。同じ実験ではマスクを2枚重ねることでより高い効果が得られることも報告されています。重要なことは、防止効果が得られるためには、マスクを正しく装着していることが重要で、マスクと顔の間に隙間などがあると防止効果が大きく低下することも示されています。

いずれにしても、マスクの主な効果は「飛沫拡散防止」にあり、「飛沫吸入防止効果」はそれほど大きくないということです。過度に吸入防止に期待してしまうことは危険です。

マスクには、知らない間に他の人に感染させることを防ぐ効果と、自分が感染するのを防ぐ効果があります。マスクの着用は、コロナ禍の社会に生きるものの義務であると認識して、正しくマスク着用法を実践するとともに、マスクを着用する意義について、より多くの人に正しい情報を伝えてください。