「オミクロン株」について(2)(2021年12月8日)

オミクロン株に関する暫定情報をアップデートします。

12月7日、南アフリカの科学者を中心とするグループが、preprint server(査読を経ないオンライン科学論文雑誌)に、南アフリカにおけるオミクロン株の感染状況に関する論文を発表しました。内容の骨子は以下の3点です:

  1. オミクロン株による国内の感染者数は、過去のどの波よりも急激に増加している。
  2. 過去に異なる変異株に感染したとしても、オミクロン株に対する感染防御効果はあまり認められない。
  3. デルタ株に比べ、重症化する人の割率は低いようである。

解析した患者数は280万人、うち再感染者は3万5千人あまりと、かなりなデータに基づいています。ただしあくまでも暫定的なデータであり、特に3については、断定にはデータが不足しています。また、査読を経ていないため、使用した数理モデルの妥当性についても注意が必要でしょう。報告内容は、とりあえずオミクロン株に対する楽観的観測を支持するものになっていますが、決して警戒心は緩めず、また同時に過度に心配することもなく、今後の動向を見守ることが必要です。改めて、いまの私たちにできることは、基本的な感染対策を徹底することだと理解してください。

参考情報(外部リンク)